新工法によるN邸地下室ができるまで
地下1階地上3階 / 地下室上部コンクリート天井有り
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平成6年に改正された建築基準法によって 住宅の地下室に関わる制限は大幅に
緩和され 条件を満たせば床面積の3分の1までは容積率に算入しないでよいことになりました。
その結果 敷地が狭くても 地下を活用することでゆとりある住まいづくりができるように
なりました。
ところが昔ながらの現場打ち鉄筋コンクリートの方法で地下室を造るとなる
地上階の2倍以上の工事費がかかると言われています。 そしてその他にもさまざまな問題が
生じてきます。
- 在来工法では コンクリート自体に含まれる水分と コンクリートに浸透した地中の
水分が地下に放出され続け屋内がジメジメする
- コンクリートを2度に分けて打つので 地下1階床部分の打ち継ぎ部分から地下水が浸水
する恐れがある
- 配筋工事・型枠工事などが現場での作業が多くなるので 能率が悪いばかりでなく 作業
が天候にふりまわされたりして工期が長くなり 結果的に工事費が割高になる
地下室のかかえているこのような欠点をなくし 居心地の良いものにしようと考案されたもの
がここでご紹介する新工法で 以下のような特徴があります。
- コンクリート打ち込み用の
型枠を合板から3.2ミリの鉄板に変更し 工場で製作するようにした結果工期も驚くほど短く
なり コストダウンも実現しました
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在来工法では合板製の型枠はコンクリート打設後に撤去しますが 屋内に面する3.2ミリの鉄
板製の型枠をそのまま残し防湿層とします 従って地中やコンクリートの湿気は地下室内に放出
されません
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在来工法ではコンクリートを2回に分けて打設するのが常識でした そのため地下1階床部分
のコンクリートの打ち継ぎ面からの漏水の心配がありました ところが今回はコンクリートを
床〜壁〜天井まで1回で打設してしまうため打ち継ぎ面が無く漏水の心配がなくなりました
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地下室に面する鉄板面には現場発泡のウレタンフォームで結露対策を行います
この新工法を採用した地下室の住み心地の実証のために ここに弊社のオフィスを移転し
現在設計室として使用しておりますが 心配していた湿気も全く気になりません。また真冬でも屋内温度は
10度程度までしか下がりませんから省エネ空間としても評価できるでしょう。
CopyRight Hikari Sekkei Associate
Last Update 2013/11/01